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“新世代のブルースマン”ジョシュ・スミスが見せた重厚&爽快ジャム・セッション

レポート●蔵重友紀 Yuki Kurashige 写真撮影●米田泰久(COTTON CLUB提供)

Josh-Gary-Travis

去る12月初旬、コットンクラブ東京にて、アメリカの新世代ブルース・ギタリスト:ジョシュ・スミス(vo、g)が日本公演を行なった。

2016年に初めて日本の地を踏んだジョシュは、BLUE MOODにおけるライヴの好評価を受けて翌2017年、マット・スコフィールド、カーク・フレッチャーとのイベント形式で再来日を果たす。そして今回は、初来日より彼の招聘を続けてきたトライサウンドとコットンクラブの協賛により、3年連続での日本公演が実現した。バックのリズム隊には、ワールド・クラスの超絶ドラマー:ゲイリー・ノヴァックと、ラリーの愛息であり巧みな腕前を持つベーシスト:トラヴィス・カールトンという、先月行なわれたラリー・カールトンの来日公演でも顔を見せていた2人を迎えている。

コットンクラブで行なわれるコンサートはドリンクや食事を楽しみつつのディナー・ショウ形式で、ステージとテーブル席の距離がぐっと近いのが魅力だ。筆者が観覧したのは1日2セットで2日間行なわれた公演のうち、最終章にあたる2日目のセカンド・セット。会場に集まったオーディエンスは、新鮮なラインナップのマジックを間近で体験するのが待ちきれないといった様子でステージを見守っていた。

開演第1発目は、軽快なトラディショナル・スタイルの「Brown Gatton」(2017年『STILL』収録)。早速ご機嫌なブルース・ジャムが繰り広げられる。昨年夏、本国で発売された最新ソロ・アルバム『BURN TO GROW』は、11月に日本盤もリリースされており、これは同時にジョシュの日本デビュー作。その中から「Half Blues」や「Watching You Go」といった、やや引きずるようなグルーヴが印象的な楽曲も披露されたのだが、これがどっしり構えたトラヴィスのベース・ラインと相性が良く、アルバムよりも重厚なサウンドに変貌を遂げていた。ゲイリーも、極上のグルーヴを刻んでいたかと思うと突如爆発的な叩きまくりを繰り出し、そこへジョシュがアグレッシヴな弾きまくりで応戦するところも迫力満点だ。

人気曲の1つ「Pusher」では、ジョシュは音使いのユニークさで、トラヴィスはモジュレーションやオクターヴァーを駆使して耳を楽しませてくれた。緊張感たっぷりのマイナー・ブルース「Penance」(2009年『INCEPTION』収録)も定番曲だが、瞬間的に音量をごく控えめにしたプレイに転じるなど、即興ならではの変幻自在ぶりを見せつける。終盤にはB.B.キングの「Paying The Cost To Be The Boss」もカヴァーされ、三位一体のご機嫌なブルージー・サウンドは最後まで会場を余すところなく魅了してくれたのだった。

今回も、機材面を紹介しておこう。写真は、前半の4点がメンバー自身の使用機材で、後半は会場外に設けられた展示スペースの様子だ。このスペースでは、ジョシュやトラヴィスの使用機材と同等の製品が自由に試奏出来るようになっており、多くの来場客が足を止めていた。

ジョシュは、アイバニーズのセミアコでジョン・スコフィールド・モデルの“JSM100”、Chapinの“T-Bird”などを使用。アンプはTwo Rock製の“Classic Reverb Signature”50Wヘッドを使用しており、100Wの“Traditional Clean”はサブで今回は使われなかった。ペダルボードには、全編で使われることの多かったオルガン風のトレモロ・サウンドを生み出すイーヴンタイド“H9”が新機軸。また、愛用するエフェクター・ブランドのヴェムラムにて開発された彼のシグネチュア・モデル“Myriad Fuzz”も新たに組み込まれており、ヘヴィなサウンドが求められるパートで使用していたようだ。King Tone Guitarsのデュアル・オーヴァードライヴ“Duellist”は、内部がジョシュ仕様に改造されており、両方の回路にアイバニーズ“Tube Screamer”を内蔵。そのうち、右側のみを使っている。その他、ラヴペダルの“Tchula Bille”やジム・ダンロップのワウ“Cry Baby”などが設置され、The GigRig製のスイッチャー・システム“G2”でコントロールされていた。

メンバー使用機材

展示スペース

協賛:Vemuram Xotic Two-Rock String Driver