結生&健一/MERRY

結生&健一/MERRY

成長したアルバムの曲たちを、会場で聴いてほしい(健一)

YG:12曲目「梟」は勢いとエネルギーで押す曲という印象ですね。

結生:これは歌詞が一番重要で、それを押し出すためのギターというか。健一くんのギターがめちゃくちゃシンプルだよね?

健一:パワー・コードを弾いているだけですね(笑)。最近そういうのが増えてきました。

結生:バッキングはめちゃくちゃシンプルです。昔は歌の裏でも色々やっていて、それはそれでアリでしたけど。様々な経験を積んだ結果、この曲ではシンプルなのが1番良いということになりました。

YG:ただ、左右のギターの抜き差しはやっぱり凝っていますよね。

結生:ギターに限らず、今回は全パートで押し引きが上手くできているかなと思います。「ここは歌だ、ここはギターだ」みたいに。

YG:13曲目「Unreachable Voice」は、全編アコースティック・ギターによる静かな曲。

結生:メロディーと歌詞を優先させたアレンジですね。アルバムを作る前に、ガラと2人で久々にカラオケに行ったんですよ。その時、彼が懐メロ曲を歌う声がすごく心地好くて。声を張らずに力を抜きながら、半分裏声の、いわゆるミックス・ヴォイスで歌う感じ。こういう歌い方で聴かせる曲を、MERRYでもできないかな…というのが発端でした。楽器陣が爆音で弾くと、どうしても声を張って歌わざるを得ないじゃないですか。だからアコースティック・ギターを使ったのは、ミックス・ヴォイスが映えるようにするためです。

YG:なるほど。最後の「群青」は、対照的にエネルギッシュで力強いナンバーですね。

結生:この曲も「NOnsenSe MARkeT」と同様に、ツアー先のホテルでみんなで作りました。この時はテツさんもいて、4人だったかな。「疾走感があって超シンプルなカッコいい曲」みたいなアイデアから入った気がします。デビュー10周年の記念として作ったシングル曲なので、大事な存在になっていますね。

YG:そういう風にみんなでガヤガヤ言い合いながら曲を作れるのが、MERRYの強みですよね。仲の良さが表れているというか。

結生:適度に緊張感がある面白い距離感ですけどね(笑)。どのバンドも、最初はこういう曲の作り方じゃないですか? 少なくとも僕らの時代はそう。デビューから13年経ってますけど、あの頃の気持ちを忘れちゃダメだという気持ちがあるし、この作り方でしか生まれないものも絶対にあると思うので。

YG:では、最後に読者へメッセージをひとこと。

結生:今回のアルバムは特に、ギターを弾いている人なら耳コピしたくなるプレイが満載なので、ぜひ挑戦してみてください。

健一:あとアルバムを聴くだけでなく、ライヴにもぜひ来てもらいたいですね。曲って演奏する度にどんどん成長して行くと思うんですよ。そう考えると、形として残っている音源が完成形というわけではない。成長したアルバムの曲たちを、会場で聴いてほしいと思います。

MERRY 2015

MERRY公式サイト