ジェフ・コールマン『EAST OF HEAVEN』インタビュー:「これまでとはまったく違う作品になった」

ジェフ・コールマン『EAST OF HEAVEN』インタビュー:「これまでとはまったく違う作品になった」

ジェフ・コールマン『EAST OF HEAVEN』レコーディング機材

『EAST OF HEAVEN』でジェフが使用したギターは、エレクトリックとアコースティックを合わせて約15本。また、アンプやエフェクト類も多岐にわたっている。その内訳と、各収録曲で使われたモデルを下記にまとめよう(なお、下記で触れていない楽曲の使用楽器は不明)。ストラトキャスターとレスポールやSGといったギブソン・モデルなどを使い分けるジェフだが、一番のお気に入りはダフネ・ブルーのフェンダー・カスタム・ショップ製“Wildwood 10s Stratocaster”とのこと。本記事のトップ画像で手にしているのがそのモデルで、以前の来日公演にも帯同している。これはアメリカの楽器店“Wildwood Guitarshop”の特注品で、ネック・シェイプが1956年製のネックを参考にした”’56”と呼ばれるタイプになっているのが特徴。指板はメイプルで、ジェフ所有のモデルはブリッジ・ピックアップがハムバッカーであることもポイントだ。

ギター&アンプ

各収録曲で使われたギターは下記の通り。

「Loss」
ギブソンの1959年製レスポールのリイシュー・モデル(スローバック製のピックアップ“PG-102 Peter Green”を搭載)
「Mass Exodus」
ソロ:フェンダー・カスタム・ショップ“Wildwood Stratocaster”
バッキング:ギブソン・カスタム・ショップ“Wildwood Spec 1959 Les Paul Standard Reissue”
「Homage To King Edward」「Ghostly」「Hidden Dimensions」
フェンダー・カスタム・ショップ“Wildwood 10s Stratocaster”(フィニッシュはダフネ・ブルー、指板はメイプル)
「Superstring Theory」
バッキング:ギブソン“Les Paul Special”(“P-90”ピックアップを搭載。2019年に矢沢永吉のツアーで日本を訪れた際、福岡で購入したとのこと)
メロディー&ソロ:ギブソン1979年製フライングV(ピックアップはアーケイン製の“Brownbucker”をブリッジに、ギブソン製”’59 Classic”をネック側に搭載)
「Insomnia」
アコースティック・ギター:マーティン“000-18”
「67XR-7」
ギブソン・カスタム・ショップ“Wildwood Featherweight Limited Edition Les Paul”(オリジナルの“P.A.F.”ピックアップを搭載)
「Isolation 2020」
フェンダー・カスタム・ショップ“Wildwood 10s Stratocaster”(フィニッシュはシーフォーム・グリーン、指板はブラジリアン・ローズウッド)
「So Long Ago」
バッキング:マーティン“000-18”
ソロ:ケニー・ヒル製ナイロン・ギター
「The Darkness Resides」
カーヴィン製エレアコ
「See You On The Other Side」
アコースティック:テイラー“410”(バリトン・チューニングにして使用)
ソロ(エレクトリック・ギター):ヘイマー“Newport”

この他、エレクトリックには2001年製のギブソンSG(ピックアップはストックのまま)やヘイマーのVシェイプ“Vector Korina”で“’59 Classic”のピックアップを搭載したモデルなどがある。アコースティックの方は、ヤイリの1979年製クラシック・ギター、ラリヴィーのパーラー・ギター“P9”、ダンエレクトロの1960年代に作られたモデルなども使われたようだ。

アンプはマーシャルのヘッドが2台あり、どちらもボグナーの創設者:ラインハルト・ボグナー氏の手が加えられている。“Warhorse”と呼ばれる1点もののモデルは、3チャンネル仕様。1973年型で、もともとは1991年にジョージ・リンチのために作られたが、1999年にボグナー氏がジェフのためにヴォイシングをやり直してくれたそうだ。もう1台は1978年製の100Wモデル(“Mk.2”とのことだが、詳細は不明)。こちらはジェフとボグナー氏によってヴォイシングと改造が施されている。他に、フェンダーの1965年製“Twin Reverb”や1966年製“Pro Verb”も使用されていた。

キャビネットもマーシャルで、1968年製と1978年製があり、前者にはプリローラ期のセレッション“Greenback”スピーカーを搭載。後者も同じくセレッション製で、ローラ期の25Wスピーカーを搭載している。

エフェクト及びギター・システム

エフェクト類やギターのサウンド・システムに関しては、詳細な配線図が送られてきたのでそのまま掲載させていただいた。拡大してチェックしてほしい。画像にもある通り、設計は高品質なエフェクトやサウンド・システムで世界的にもよく知られている国内メーカー:フリーザトーンが手掛けており、システムの母体となっているのも同社製スイッチャー“ARC-3”だ。1〜7までの各ループにコンパクト・ペダルが接続され、アイバニーズ“TS-808”(オーヴァードライヴ)やティム・ヤニック・エレクトロニクス製でジェフのシグネチュア・ペダル“Kollmanation”などの歪み系が数種類、エキゾティック製コンプレッサーやブースターなどが接続されている。なお図の中では、フリーザトーンの空間系”Ambi Space”“FlightTime”を接続した8つ目のループ部分が別個に描かれているが、実際は“ARC-3”の一部であることを補足しておきたい。

またジェフは、これとは別にもう1つペダルボードを併用。本人曰く、そちらには「フェイザーやフランジャー、レスリー・エフェクト、逆回転ディレイ、コーラスといった、お楽しみ系ペダルが詰まっている」とのことだ。

サウンド・システム

ジェフ・コールマン1