「首と腰の手術をしたし…俺達はボロボロになりつつある」ジム・ルート/スリップノット最新インタビュー抜粋 ヤング・ギター9月号

「首と腰の手術をしたし…俺達はボロボロになりつつある」ジム・ルート/スリップノット最新インタビュー抜粋 ヤング・ギター9月号

8月10日発売のヤング・ギター2019年9月号『スリップノット特集』内に掲載されるインタビューを先行公開! ご予約はこちらから。

昨年10月末、ミュージック・ビデオの同時公開という形で突如としてニュー・シングル「All Out Life」を発表し、「いよいよ新作リリースか!?」とファンを沸き立たせたスリップノット。しかし、その報はもう少し後。今年に入ってから3月に新作が全世界8月9日同時リリースであること、5月にアルバム・タイトルとアートワーク、収録曲、そしてメンバーの新ヴィジュアルが発表され、アルバムからの1stシングルとして「Unsainted」のMVも先行公開。6月からは各国ロック・フェスへの出演を主としたツアーもスタートさせ、そして8月9日、通算6作目の最新作『WE ARENOT YOUR KIND』を遂にリリース…。

前作から実に5年振り、メンバー自身も「時間をかけて作った」というその内容は、これまでのシングル曲の流れを汲む「Unsainted」他のキャッチーなナンバーや初期の暴虐性を強く感じさせる曲がある一方で、新機軸である挑発的な曲や仕掛けを随所に配して絶妙なバランスで構成しつつ、聴けば有無を言わせぬ“徹頭徹尾スリップノット”な仕上がりとなっている。リリース前にはメンバーの脱退や彼らの家族に起きた不幸な事故といった不穏なニュースがファンをザワつかせたが、新作を聴いた人ならば、ここからのバンドの快進撃を信じて疑うことはないだろう(が、以下インタビューでは少々不安な発言も…)。

6月上旬、バンドがツアー直前のリハーサルを行なっていた英バーミンガムのスタジオにギター・チームのジム・ルートとミック・トムソンを訪ね、(当方は事前にファイナル・ミックス前の音源6曲のみ試聴した上で)ニュー・アルバムに関する質問をぶつけてみた。まずは“#4”との会談から…。

首と腰の手術をしたし…俺達はボロボロになりつつある

YG:前作『.5: THE GRAY CHAPTER』(2014年)リリース後の本誌インタビューで、ジムは「スリップノットは続けざまにアルバムを作るサイクルを確立すべきだと思う。2年も3年もオフを取らずに」と言っていましたが、結果的に新作リリースまでに5年もの時間を要した理由は?

ジム・ルート(以下JR):まあ、そうなってしまった…ということだよ。俺自身は今でもその考えを支持しているし、次のアルバムを早く作りたいとも思っている。ただ、前作に俺達が込めたものが何かを分かっている今としては、アルバム制作には時間がかかるものなんだという認識があるし、サイクルを短くするという理由だけで急ぎたくはないんだ。その反面、年を取っていくことで自分のやりたいことが全部やれるか分からない…という不安もあるんだよ。特にスリップノットみたいなバンドでは、ステージに突っ立ってただギターをプレイしていればいいってわけじゃないからね。激しいパフォーマンスが要求されるわけだけど、それはどんどん難しくなってきている。俺達はボロボロになりつつあるんだ。俺は首と腰の手術をしたし…。でも、あまりオフを取ってしまうとまたイチからやり直しみたいな感じになってしまうし…。メンバーが9人もいると、物事を軌道に乗せるのは大変なことなんだ。一旦軌道に乗ればスムーズに進むことができるけど、それまでには新しい曲、新しい機材、新しいメンバー…何が起こっているかを把握しないといけない。「クソッ、この曲をどうやってプレイするか覚えないと」なんてね。クレイジーだよ。というわけで、バンドが新しいアルバムを出して動き出すまでには、どうしても時間がかかるものなのさ(苦笑)。

YG:時間がかかっただけに、ようやく完成した新作に対しては充実感もひとしおなのでは?

JR:うーん…複雑な心境だね(苦笑)。納得するまで時間と労力をかけてアルバムを作ることができたし、これまでに作ってきたアルバムの中でも最もディープに掘り下げた作品になったと思うけど…。ここ数ヵ月の間にはメンバーが替わったり、不幸なことが起こったりしてしまったから、色んなことがいつもよりトリッキーだったりトラウマだったりもしてね…。とにかく俺達に大切なのはバンドとして結束を固めて、早くまたいい感じでプレイできるようになることだ。スリップノットとしてはもう3年くらい一緒にプレイしていないからね。先に発表したシングル以外の新しい曲はまだライヴでやってないし、根詰めてリハーサルをして、これからの試練に備えないと(苦笑)。

YG:新作の資料にはジムのコメントとして「これまでの中で最も作詞作曲とレコーディングに時間をかけたアルバム」とありますが、新作の曲作りはいつ頃から始めましたか?

JR:新作の曲の中には、前のアルバムのツアー中に書き始めたものもあるんだ。アレンジの断片なんかはそれよりさらに数年前から存在していたものもある。最初は個々にアイデアを練っていき——

 
…この続きは、8月10日に発売されるヤング・ギター9月号をお楽しみに!