次作は良いチームワークが発揮出来ると思う(ヨンネ)
YG:では、今回ケーンが日本へ持ってきたギター周りの機材を教えてください。
ケーン:ギブソンを2本持ってきたよ。レスポール・カスタムさ。どちらもネックと指板にメイプルが使われていて、最近の俺のお気に入りになっている。
ヨンネ:ギブソンでメイプルのネックは珍しいな!
ケーン:うん。通常のレスポールよりもブライトな音が出せるんだ。1本は黒で、もう1本はナチュラル・フィニッシュだけど、同じスペックだよ。
YG:いつ頃、手に入れたのですか?
ケーン:今年で2年になるかな? インターネットで見つけて、ドイツから取り寄せたんだ。
ヨンネ:ディスカウントしてもらえるところがあるんだよな?
ケーン:そう。定価からちょっと安くしてもらえる(笑)。
YG:2本の使い分けはどのようにして?
ケーン:基本的にはナチュラルの方をずっと使い続ける。ギター1本でショウ全編がコナせるからね。もう1本はバックアップだ。
YG:どこか改造していますか?
ケーン:いや、何もしていない。ストックのままだ。でも、ネックも指板もメイプルだから、そもそもがレアなんだよ。
YG:チューニングは?
ケーン:全弦1音下げのDチューニングだ。
YG:使用アンプも教えてください。
ケーン:最近はケンパーだよ。もう3年ぐらいになるけど、とてもイイ。どこへ行っても自分の音が出せるからね。
YG:普段、使っている自分のアンプをプロファイリングしたのですか?
ケーン:EVHだ。実はヨンネのアンプで、スタジオでもそれを使っている。
YG:『NOITA』のレコーディングでも、そのEVHを?
ケーン:うん。エングルとちょっと混ぜているけど…。
ヨンネ:でも、飽くまでメインはEVHだよ。
YG:アンプのセレクトにはヨンネも関わっているのですね?
ヨンネ:そうだ。このアルバムでは一緒に考えたよ。
ケーン:プロデューサー(アクス・ハンットゥ)もギター・サウンドの決定には大きく関わっているけどね。
YG:エフェクターはありますか?
ケーン:ない。アンプ直だ。前からずっとそうだよ。必要ないね。
YG:この夏にリリースされたライヴ作品『LIVE AT MASTERS OF ROCK』についてもコメントをお願いします。
ヨンネ:『LIVE AT MASTERS OF ROCK』には2つのショウが収められている。どちらも同じフェス(チェコの“Masters Of Rock”)で、’14年と’16年だ。
ケーン:’16年の方がメインで、’14年はボーナス的に入れてある。
ヨンネ:’16年のショウでは、アコーディオン奏者とフィドル奏者をそれぞれもう1人ずつ加えたラインナップになっているよ。
サミ:フォーク部門が2倍になったのさ。
ヨンネ:フェスティヴァルの主催側からの依頼でね。
ケーン:もう何回も出ているフェスだから、「ちょっとスペシャルなショウに出来ないか?」と言われたんだ。それなら、ミュージシャンを追加するのが俺達らしくてイイんじゃないか…と考えた。
YG:ギターを増やさずに、アコーディオンとフィドルを増やすところが、コルピクラーニらしい…と?(笑)
ケーン:ああ。だってそうだろ?(笑)
YG:2人のゲスト・プレイヤーは、確かヨンネのソロにも参加していたと思いますが──メタル畑のミュージシャンではないのでしょうか?
ケーン:メタルじゃないよ。アコーディオン奏者は、サミの双子の兄弟のトニだけどね。
サミ:彼はクラシックの教育を受けている。
ケーン:フォーク・スタイルは、クラシック出身のミュージシャンがやることも多いからな。
サミ:アコーディオンを弾くのなら、フォークのことも少なからず知る必要がある。フォークで重宝される楽器だからね。ただ、フィドルのテロ・ヒューヴァルオマは、フィンランドで長いキャリアを積んでいる、由緒正しきフォーク・プレイヤーだよ。
ケーン:彼は以前、トゥオマス(・ロウナカリ:fiddle)が出演出来なかった時、代役を務めてくれたこともあるんだ。あと、トニとも一緒にプレイしたことがあったな。
サミ:トニと僕は双子だから、見た目も全く一緒だよ(笑)。
ヨンネ:だから、どっちとプレイしているのか分からないこともある(笑)。
サミ:ある時、僕のFacebookページに「今日のショウは素晴らしかったです」というメッセージが書き込まれていて、「どうもありがとう。でも、僕は家にいたんだけどね」と返信したことがあった。「あれは兄弟のトニなんだよ!」ってね(笑)。みんなどっちがどっちなのか判別がつかないのさ。実は僕だった…という可能性もあるけど。この話は内緒にしておいた方が良かったかな?
YG:(笑) さて、そろそろ次のアルバムにも取り掛かっていますか?
ヨンネ:ああ。幾つか曲は出来ているよ。この12月にスタジオ入りする予定なんだ。今回はメイン・ソングライターが2人だから、良いチームワークが発揮出来ると思う。
YG:もうひとりはケーン?
ケーン:いやいや、飽くまでメインはヨンネだよ。
ヨンネ:あとはサミが書いたり、ベースのヤルッコもちょっと書いたりする。
YG:ケーンは曲を書かないのですか?
ケーン:ないね〜。
YG:やはり、根っからのロックンロール・プレイヤーだと?
ケーン:ハハハ…。書きたいと思ったら書くけど、まだその時期ではないのさ。
YG:新作のリリース時期は決まっていますか?
ヨンネ:来年のどこか…と言っておくよ。
YG:どんなアルバムになるのかを訊くのは、まだちょっと早いでしょうか?
ヨンネ:そうだな…う〜ん……。
ケーン:まだ説明のしようがないかな。
YG:新しい要素などは?
ヨンネ:いや、これまでの路線だよ。但し、もっと落ち着いた内容になるような気がする。勿論、引き続きストロングでヘヴィな曲もあるけど──まぁ、今の段階では何とも言えないな。サミも作業を始めたばかりだし。
サミ:『NOITA』は良いアルバムだったけど、そこからさらに上のレヴェルを目指したいんだ。とにかく次のアルバムでも、みんなでジャンプ・アップして、より良いモノを作ろうとは思っているよ。
ヨンネ:サミは『NOITA』が最初のアルバムだったから、そこで学んだことも多かったんだろうね?
サミ:うん。だから、今ある要素をさらに発展させ、より良いアルバムを作るには何が必要なのか、じっくり考えていきたい。多分、悪くなることはないと思う(笑)。
YG:楽しみにしています!
ヨンネ:俺も楽しみだよ!!(笑)