コルピクラーニ&フィドラーズ・グリーン 2017来日インタビュー

コルピクラーニ&フィドラーズ・グリーン 2017来日インタビュー

次作は良いチームワークが発揮出来ると思う(ヨンネ)

コルピクラーニ:ケーン

YG:では、今回ケーンが日本へ持ってきたギター周りの機材を教えてください。

ケーン:ギブソンを2本持ってきたよ。レスポール・カスタムさ。どちらもネックと指板にメイプルが使われていて、最近の俺のお気に入りになっている。

ヨンネ:ギブソンでメイプルのネックは珍しいな!

ケーン:うん。通常のレスポールよりもブライトな音が出せるんだ。1本は黒で、もう1本はナチュラル・フィニッシュだけど、同じスペックだよ。

YG:いつ頃、手に入れたのですか? 

ケーン:今年で2年になるかな? インターネットで見つけて、ドイツから取り寄せたんだ。

ヨンネ:ディスカウントしてもらえるところがあるんだよな?

ケーン:そう。定価からちょっと安くしてもらえる(笑)。

YG:2本の使い分けはどのようにして?

ケーン:基本的にはナチュラルの方をずっと使い続ける。ギター1本でショウ全編がコナせるからね。もう1本はバックアップだ。

YG:どこか改造していますか?

ケーン:いや、何もしていない。ストックのままだ。でも、ネックも指板もメイプルだから、そもそもがレアなんだよ。

YG:チューニングは?

ケーン:全弦1音下げのDチューニングだ。

KORPIKLAANI - Cane & Jarkko

YG:使用アンプも教えてください。

ケーン:最近はケンパーだよ。もう3年ぐらいになるけど、とてもイイ。どこへ行っても自分の音が出せるからね。

YG:普段、使っている自分のアンプをプロファイリングしたのですか?

ケーン:EVHだ。実はヨンネのアンプで、スタジオでもそれを使っている。

YG:『NOITA』のレコーディングでも、そのEVHを?

ケーン:うん。エングルとちょっと混ぜているけど…。

ヨンネ:でも、飽くまでメインはEVHだよ。

YG:アンプのセレクトにはヨンネも関わっているのですね?

ヨンネ:そうだ。このアルバムでは一緒に考えたよ。

ケーン:プロデューサー(アクス・ハンットゥ)もギター・サウンドの決定には大きく関わっているけどね。

YG:エフェクターはありますか?

ケーン:ない。アンプ直だ。前からずっとそうだよ。必要ないね。

YG:この夏にリリースされたライヴ作品『LIVE AT MASTERS OF ROCK』についてもコメントをお願いします。

ヨンネ:『LIVE AT MASTERS OF ROCK』には2つのショウが収められている。どちらも同じフェス(チェコの“Masters Of Rock”)で、’14年と’16年だ。

ケーン:’16年の方がメインで、’14年はボーナス的に入れてある。

ヨンネ:’16年のショウでは、アコーディオン奏者とフィドル奏者をそれぞれもう1人ずつ加えたラインナップになっているよ。

サミ:フォーク部門が2倍になったのさ。

ヨンネ:フェスティヴァルの主催側からの依頼でね。

ケーン:もう何回も出ているフェスだから、「ちょっとスペシャルなショウに出来ないか?」と言われたんだ。それなら、ミュージシャンを追加するのが俺達らしくてイイんじゃないか…と考えた。

YG:ギターを増やさずに、アコーディオンとフィドルを増やすところが、コルピクラーニらしい…と?(笑)

ケーン:ああ。だってそうだろ?(笑)

KORPIKLAANI - Tuomas & Sami

YG:2人のゲスト・プレイヤーは、確かヨンネのソロにも参加していたと思いますが──メタル畑のミュージシャンではないのでしょうか?

ケーン:メタルじゃないよ。アコーディオン奏者は、サミの双子の兄弟のトニだけどね。

サミ:彼はクラシックの教育を受けている。

ケーン:フォーク・スタイルは、クラシック出身のミュージシャンがやることも多いからな。

サミ:アコーディオンを弾くのなら、フォークのことも少なからず知る必要がある。フォークで重宝される楽器だからね。ただ、フィドルのテロ・ヒューヴァルオマは、フィンランドで長いキャリアを積んでいる、由緒正しきフォーク・プレイヤーだよ。

ケーン:彼は以前、トゥオマス(・ロウナカリ:fiddle)が出演出来なかった時、代役を務めてくれたこともあるんだ。あと、トニとも一緒にプレイしたことがあったな。

サミ:トニと僕は双子だから、見た目も全く一緒だよ(笑)。

ヨンネ:だから、どっちとプレイしているのか分からないこともある(笑)。

サミ:ある時、僕のFacebookページに「今日のショウは素晴らしかったです」というメッセージが書き込まれていて、「どうもありがとう。でも、僕は家にいたんだけどね」と返信したことがあった。「あれは兄弟のトニなんだよ!」ってね(笑)。みんなどっちがどっちなのか判別がつかないのさ。実は僕だった…という可能性もあるけど。この話は内緒にしておいた方が良かったかな?

YG:(笑) さて、そろそろ次のアルバムにも取り掛かっていますか?

ヨンネ:ああ。幾つか曲は出来ているよ。この12月にスタジオ入りする予定なんだ。今回はメイン・ソングライターが2人だから、良いチームワークが発揮出来ると思う。

YG:もうひとりはケーン?

ケーン:いやいや、飽くまでメインはヨンネだよ。

ヨンネ:あとはサミが書いたり、ベースのヤルッコもちょっと書いたりする。

YG:ケーンは曲を書かないのですか?

ケーン:ないね〜。

YG:やはり、根っからのロックンロール・プレイヤーだと?

ケーン:ハハハ…。書きたいと思ったら書くけど、まだその時期ではないのさ。

YG:新作のリリース時期は決まっていますか?

ヨンネ:来年のどこか…と言っておくよ。

YG:どんなアルバムになるのかを訊くのは、まだちょっと早いでしょうか?

ヨンネ:そうだな…う〜ん……。

ケーン:まだ説明のしようがないかな。

YG:新しい要素などは?

ヨンネ:いや、これまでの路線だよ。但し、もっと落ち着いた内容になるような気がする。勿論、引き続きストロングでヘヴィな曲もあるけど──まぁ、今の段階では何とも言えないな。サミも作業を始めたばかりだし。

サミ:『NOITA』は良いアルバムだったけど、そこからさらに上のレヴェルを目指したいんだ。とにかく次のアルバムでも、みんなでジャンプ・アップして、より良いモノを作ろうとは思っているよ。

ヨンネ:サミは『NOITA』が最初のアルバムだったから、そこで学んだことも多かったんだろうね?

サミ:うん。だから、今ある要素をさらに発展させ、より良いアルバムを作るには何が必要なのか、じっくり考えていきたい。多分、悪くなることはないと思う(笑)。

YG:楽しみにしています!

ヨンネ:俺も楽しみだよ!!(笑)

KORPIKLAANI - BAND:LIVE