シークレット・スフィア&トリック・オア・トリート  2016来日インタビュー

シークレット・スフィア&トリック・オア・トリート  2016来日インタビュー

パワー・メタル・バンドが7弦を使うのはとても奇妙な傾向だったから、ならば「試してみよう」と思った

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YG:では、今回お2人が日本へ持ってきたギターを確認させてください。

AL:私は今回、日本のESPにギターを調達してもらったよ。

YG:えっ…ということは、何も持ってこなかった?

AL:そうなんだ。ESPには感謝しているよ。

YG:その用意してもらったギターは?

AL:ずっと“Eclipse”を弾いているから、やはり“Eclipse”を頼んだ。EMGのピックアップが載っているヤツさ。地元ではE-IIのモデルを使っていて、セイモア・ダンカンのピックアップが搭載されているのと、EMGのアクティヴ・ピックアップが搭載されているのがあるんだ。フロイドローズ・トレモロは使っていない。私は単に効果音を出すためだけにフロイドローズを使うのが好きじゃなくてね。スティーヴ・ヴァイみたいに使いコナせれば別だけど、ただ“ワウワウ”させたいのなら、フロイドじゃなくても出来るだろ?

YG:セイモア・ダンカンとEMGは、普段どのようにして使い分けていますか?

AL:曲次第さ。アクティヴ・ピックアップはセイモア・ダンカンに比べてダイナミクスが少ない。だから、ダイナミクスを必要としていないヘヴィな曲で使うんだ。一方、ミッドやスローなテンポのバラードでは、音色やダイナミクスが大事になってくるから、パッシヴ・ピックアップを使う。細かい部分は、ギターのヴォリューム・ノブでも調整するけどね。

YG:マルコは、自分のギターは持ってきましたか?

MP:勿論!(笑) シェクターの“Hellraiser”で、7弦だよ。僕もイタリア本国ではエンドースしているんだ。“Hellraiser”は、特に改造はしていない。弦高を少し変えているぐらいかな。ちなみに、ピックアップはEMGだよ。

YG:それぞれ、バックアップ用のギターは?

AL:ないよ。

MP:1本だけだ。

YG:弦が切れたりした時は…?

AL:トリック・オア・トリートのメンバーからギターを借りればイイさ(笑)。

YG:なるほど。6弦と7弦の組み合わせはいつ頃から?

AL:もう長いよ。実は、私も以前に7弦を弾いていたことがあって、’01年に出た2ndアルバム(『A TIME NEVER COME』)は7弦を使ってレコーディングしたんだ。当時、パワー・メタル・バンドが7弦を使うのはとても奇妙な傾向だったから、ならば「試してみよう」と思ったワケさ。続く3rd(’03年『SCENT OF HUMAN DESIRE』)でもちょこっと使ったけど、そこから6弦に戻ることにした。以来、低域が欲しい時は6弦をDにドロップしている。曲を書くのもすべて6弦だ。マルコが7弦を使うようになったのは、他のバンドで弾くことになったからだけど、それ以降、このバンドにも常に7弦ギターが入るようになった。但し、曲のアレンジとは何も関係がないよ。

YG:マルコは、普段6弦を弾くことは?

MP:今のところはないね。7弦にフォーカスしているよ。曲を書く際も新しいサウンドを発見出来るから。

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YG:今回のツアーで使ったアンプとエフェクターも教えてください。

AL:アンプはプロモーターに、ピーヴィーのヴァン・ヘイレンのモデルを借りられないかリクエストした。一番最初のモデル(“5150”)だよ。

MP:僕も同じくピーヴィーのアンプを用意してもらった。(“5150”ではなく)“6505+”だけどさ。

AL:だから昨日のライヴでは、2台のサウンドが明らかに違っていた。私に言わせれば、“6505+”の音は“5150 II”に近い。やっぱり一番最初のモデル(“5150”)が完璧なトーンを出していると思うな。でも、イタリアではなかなか手に入らなくてね。あのヘッドを所有しているギタリストが、決して手放さないからじゃない?(笑)

YG:オークションに出ていたら即買いですね?

AL:勿論さ!!

YG:キャビネットはマーシャルでしたね?

AL:うん。ピーヴィーのキャビネットは手配出来なかったようだ。でも、マーシャルのキャビなら、どんなヘッドを使っても大丈夫さ。あとペダルは、アイバニーズ“TS-9 Tube Screamer”を持ってきた。日本製で、これがベストだね! それから、エフェクト・ループにTCエレクトロニック“Flashback Delay”を入れていて、他にもブースターがある。

YG:どこのメーカーですか?

AL:イタリア製のハンドメイドなんだ。Jad & Freerという規模の小さいメーカーで、エフェクターだけでなく、小型ながらパワーのある、大変良いアンプも製作しているよ。

YG:他にどんなミュージシャンが使っていますか?

AL:アルテミスのギタリスト(アンドレア・マートンゲリ)も使っていたけど、彼は最近レイニーに移ったようだ。他にもイタリアで使っているミュージシャンはいるけど、メタル系じゃなくて、ポップ系のセッション・マンだったりするよ。

YG:そもそもJad & Freerを使い始めたキッカケは?

AL:先方から連絡があったんだ。メタル・プレイヤーを探していたらしい。使おうと思ったのは、単純に音が良いからさ。

YG:マルコの使用ペダルも教えてください。

MP:今回はチューナー以外、持ってこなかったよ。プリアンプに直でつないでいるんだ。

YG:マルコはヴォーカルも出来る…というか、相当に上手いシンガーですが──ギターとヴォーカルはどっちを先に始めたのですか? 

MP:勿論、ギターが先だよ。でも、弾き始めて数年してからヴォーカルも鍛えようと思ったんだ。イタリアでは、なかなか良いヴォーカリストが見つからないんでね。今もヴォーカルは一生懸命トレーニングしていて、ミケーレからも声に関する様々なことを学んでいる。ミケーレと一緒に歌えてとてもハッピーだ。彼はシンガーとして驚異的だから!

YG:ところで、アルドは左利きなんだそうですね? 

AL:うん。ギター以外はすべて左だよ。

YG:ギターを始めた時から、ずっと右利き用を弾いているのですか?

AL:そうだ。音楽学校で最初に教わった女の先生に言われたんだ。「あなたは左利きだけど、ギターを弾く時は右利き用を使いなさい。左利き用のモデルはとても少ないので、大きくなってから悲しむことになりますよ」…とね。

MP:正にその通り!(苦笑)(註:マルコもアルド同様に左利きだが、彼は左利き用のギターを使用している)

AL:「今は大変でも、将来ハッピーになりますよ」と言われたよ。

MP:ああ、おかげで僕はとっても大変さ! でもラッキーなことに、シェクターには左利き用のモデルが豊富に揃っているんだ。

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