毎月10日発売。月刊ギター専門誌ヤング・ギターの公式ウェブサイト。

シークレット・スフィア&トリック・オア・トリート  2016来日インタビュー

シークレット・スフィア&トリック・オア・トリート  2016来日インタビュー
インタビュー●奥村裕司 Yuzi Okumura 写真●Takumi Nakajima

新作はエレジーとドリーム・シアターをミックスさせたような音楽性と言えるかな

ss-05

YG:ニュー・アルバムについても教えてください。現状、作業はどこまで進んでいるのですか?
AL:実は、もうドラム録りまで終わっていて、('17年)1月からギターのレコーディングを始める予定なんだ。あと、オーケストラ・サウンドのキーボード・パートも仕上がっていて、ミケーレが歌メロと歌詞に取り組んでいるところだ。だから、2月にはすべての作業が終わるだろう。

YG:新作はどんなサウンドに?
AL:現時点での最新作('12年『PORTRAIT OF A DYING HEART』)とは違う作品になるよ。ちょっとプログレっぽい感じというか…。エレジーっていうバンドを憶えているかい?

YG:はい。オランダのバンドですよね?
AL:そうそう。私は彼等の大ファンでね。新作には、彼等のようなヘヴィさや速さがあって──そうだな、エレジーとドリーム・シアターをミックスさせたような音楽性と言えるかな? 「Lie To Me」(『PORTRAIT OF A DYING HEART』収録)のようなミッド・テンポのバラードも2〜3曲入っているけど、速い曲が多くて、演奏もより複雑だ。(エレジーの)『SUPREMACY』('94年)と(D・シアターの)『IMAGES AND WORDS』('92年)を合わせたような感じかもしれない。

YG:それって凄いアルバムじゃないですか! 作曲は今回もアルドが?
AL:うん。90%は私が書いた。残りはキーボード奏者のガブリエレ(チャッチャ)さ。今作で初めて、彼にもっと関わってもらうことにしたんだ。私にはシークレット・スフィアらしいサウンドのアイデアがあって、それは以前のキーボード奏者のサウンドを想定したモノだったりもする。だから、前任のキーボード奏者:アントニオ(アガテ)に曲のアレンジを担当してもらっていてね。彼(アントニオ)は既にバンドを脱退しているけど、今もバンドの裏方としてアレンジを手掛けているんだ。曲は私が書いて、オーケストレーションも考えるけど、そもそも私はキーボード奏者ではないから、ごく基本的な部分だけ自分で作って、仕上げはアントニオに任せていた。彼が然るべきアレンジに整え、私の間違いを直したりしてくれていたんだよ。ところで、サヴァタージのポール・オニールは知ってる?

YG:はい。
AL:彼もバンド・メンバーではないけど、アレンジなどに深く関わっているだろ? アントニオのことは、それと同じだと思ってくれ。ただ今回は、ガブリエレとも一緒にリハーサル・ルームへ入った。彼が弾いていたモノがとても良かったから、「一緒にやろう」と声を掛けたんだ。特にピアノ・パートは、アントニオとガブリエレで連携して取り組んでもらったよ。だからアレンジに関しては、これまでよりもチームワークを活かして制作に臨んだといえるね。

ss-gabriele

YG:次もコンセプト・アルバムですか?
AL:そうだ。私にとってとても大切なアルバムだよ。娘に関するコンセプト・アルバムだから…。昨年('15年)、娘が脳動脈瘤を患ってね。本当に大変だった。でも、今はもう回復している。奇跡のようだったよ。

YG:娘さんの闘病記が綴られているのですか?
AL:いや…とても個人的な話だから、それを直接的に伝えるようなストーリーではない。ポジティヴなメッセージが──どんなに最悪の状況に陥っても、未来へのチャンスは見出せるというメッセージが込められているんだ。全体は3章に分かれていて、第1章は悪い状況からスタートする。ある少女の旅を追っていくような流れで、彼女が色々な感情を発見していくのさ。第2章では、そうした感情を持っている自分自身に気付き、第3章は再生…というような感じだね。とってもポジティヴでハッピーな内容だよ。(“ハッピー・メタル”を自称するドイツの)フリーダム・コールほどじゃないけど(笑)、ハッピーなアルバムだ。
MP:そりゃイイね!(笑)

YG:レコーディング時、ギター・パートの振り分けはどのようにされていますか?
MP:普段はアルドがすべてのギター・パートを録り、その後、どっちが弾くか振り分けるんだ。

YG:それはソロのこと?
MP:いや、ソロはすべてアルドが弾く。

YG:ということは──マルコは、レコーディングでは一切弾いてない…?
MP:そうだよ。

YG:ギターのレコーディングについては、自分のバンドで発散する…と?
MP:まぁ、そんなところかな(笑)。
AL:その方がサウンド的にも良いからね。ひとりで(全テイクを)弾いた方が、サウンドの壁のようなモノが出来るし。ともあれ、新曲をライヴでプレイするのが今から楽しみだ!
MP:うん、僕もだよ!!

ss-06