ワン・コントロール Crocodile Tail Loop Wing OC10W 最新スイッチャーの驚異的な機能に迫る!

ワン・コントロール Crocodile Tail Loop Wing OC10W 最新スイッチャーの驚異的な機能に迫る!

MIDI対応でさらに機能性をアップ

MIDI

“OC10W”はMIDI機能に対応している。これによって本機から外部MIDI対応機器をコントロールしたり、逆に外部機器の操作で本機を同期させたり…といった複数ディヴァイスの連動が可能になるのである。

本機が対応しているMIDI機能は、まずプログラム・チェンジ(PC)。端的に言えば本機で設定した168種類のプログラムの中から使いたいものを一発で呼び出すことが可能となる。この際はPCナンバーという0〜167の番号を任意に設定することになる。

またコントロール・チェンジ(CC)のMIDI機能では、本機のマスター・バイパス(“OC10W”に接続されたすべての機器をバイパスし、INPUTからOUTまで信号を直結する)のオン/オフ、マスター・ミュート(“OC10W”を通過するすべての信号をミュートする。つまりギターの音が完全に消音される)のオン/オフをコントロールすることができる。この際にはCCナンバーとヴァリュー(CV)という値を設定する必要があり、CCナンバーが0の場合はCVが0〜63だとマスター・バイパスがオン、64〜127だとオフに。またCCナンバーが103の場合はCVが0〜63だとマスター・ミュートがオン、64〜127だとオフになる(表1)。なおこれらの数値は本体のマルチファンクション・ボタンや、次ページで解説する“WINGLINK”アプリで設定できるようになっている。

様々な活用法があるが、一番分かりやすいのはMIDI対応エフェクト・ペダルとの組み合わせによる音色切り替えだ。例えば“OC10W”で設定した[A1-01(バンクA1内のプログラム1)]をPCナンバー1に設定し、MIDI対応の外部空間系ペダルをPCナンバー1の時にディレイがかかるように設定。さらにPCナンバー2で“OC-10W”を[A1-02]、ペダル側がリヴァーブになるように設定し、本機のプログラム切り替えと同時に外部ペダルのエフェクトも変化する…という使い方ができるわけだ。加えてMIDI対応したアンプに接続するのであれば、“OC10W”のPC操作とアンプのチャンネル切り替えを同時に行なうという使い方もできるだろう。

MIDI対応機器はギター用アンプやエフェクトに留まらない。代表的なのがシンセサイザーで、この音色切り替えと“OC10W”のPC操作を連動させることも可能だ。さらにそれ以外のMIDI対応機器を上手くセッティングすれば…7ページで紹介するような使用法も実現できるのである。

表1◆“OC10W”が対応するMIDI機能

機能ナンバーヴァリュー内容
プログラム・チェンジ(PC)PC 0〜167プログラムを切り替える
コントロール・チェンジ(CC)CC 00〜63マスター・バイパスをオン
64〜127マスター・バイパスをオフ
CC 1030〜63マスター・ミュートをオン
64〜127マスター・ミュートをオフ
MIDIケーブル
外部MIDI機器との接続に使用するケーブル。現在は様々な形状のMIDIケーブルが存在するが、“OC10W”は5ピン・タイプに対応。
MIDI対応ペダル
デジテックの“Whammy”や、ストライモンの“Volante”などを始めとして、MIDI機能に対応したエフェクターは多数存在する。
Blackstarアンプ
MIDI対応アンプの例として、ブラックスターの“Series One 200”を挙げておこう。チャンネル切り替えなどの操作が行なえる。

MIIDシンセ
MIDI対応のキーボードなら“OC10W”と同期させるというセッティングも可能だ。写真はローランドのシンセサイザー“A-49”。