ワン・コントロール Crocodile Tail Loop Wing OC10W 最新スイッチャーの驚異的な機能に迫る!

ワン・コントロール Crocodile Tail Loop Wing OC10W 最新スイッチャーの驚異的な機能に迫る!

“Crocodile Tail Loop Wing OC10W”活用セッティング術

最後に、“OC10W”を駆使したセッティング例を基本型から発展型まで、ここまでのおさらいの意味も含めて計5パターン紹介してみよう。図13で紹介しているように、パソコン上のDAWソフトを介した形ならばMIDI対応のヴァリエーションはさらに可能性が広がる。例えば下に挙げたような機器も大いに活用できるはず。ぜひ自分なりのセッティングにトライしてもらいたい。

ミキサー
MIDI対応インターフェイス&ミキサー
リズムマシン
MIDI対応リズム・マシン
MIDI調光器
MIDI対応調光卓

最もシンプルなシステム

まずはスタンダードな、ギター・アンプの前段に“OC10W”を核としたペダルボードをセットするパターンを紹介しよう(図9)。このセッティングでは歪みサウンドを始めとした音作りは基本的に“OC10W”に接続したエフェクトだけで完結させ、アンプ側はクリーン・セッティングで使用することが前提となる。様々なライヴハウスを転々として演奏するギタリストは、現場に用意されているアンプの機種が毎回変わるという困難に直面しがちだが、このシステムであればペダルボードが音作りの中心になっているため、毎回ほぼ同じ音色でプレイすることができるので効率が良い。実際、プロ・ミュージシャンでもこういったペダルボードの使い方をメインにしている人は多いのである。

図9◆ペダルボードをアンプのインプットに接続するセッティング
図9

エフェクト&アンプ操作を同時に

図9のシステムの発展系となるのが、リヴァーブ&トレモロ(モジュレーション系)を搭載しチャンネル切り替えが可能なアンプを“OC10W”でコントロールするセッティング(図10)。ギターの信号は“OC10W”のインプット→アウトプットを通過してアンプに到達。さらにFS1(T)+FS2(R)、FS2、FS3/MULTI JACKの3つの端子を、アンプ側のリヴァーブ/トレモロ/チャンネル切り替えの各フットスイッチ端子と接続することで、エフェクトの切り替えとアンプ側の各機能の切り替えを同時に行なうプログラムを組むという手法だ。“OC10W”をセットする位置からアンプまで届く長さのケーブルを用意する必要があるので、各機材のセッティング位置には要注意。なおフットスイッチ端子同士の接続は通常のシールド・ケーブルでOKだ。

図10◆フットスイッチ端子を使ってアンプを制御するセッティング
図10

バッファーのオン/オフを可能に

図11はセパレート・ループやBUFFER IN/OUTを活用。かなり複雑なルーティングになるのだが…[ギターをLOOP 8のINに→LOOP 8にファズ、LOOP 9にワウを接続→LOOP 9のOUTからINPUTへ接続→OUT 2からLOOP 10のINへ→LOOP 10にディレイを接続→LOOP 10のOUTからアンプへ]…こうすることでバッファーを通さずにファズやワウ、ディレイをかけたメインの音がアンプに到達する。さらにLOOP 1のSENDとRETURNをBJF BUFFER IN/OUTに接続することで、LOOP 1のスイッチを踏めばバッファー機能のオン/オフが行なえるようになる。こうしておけば直列ループに組み込んだエフェクトのサウンドに、好きな時にバッファーをかけられるようになるのだ。

図11◆ペダルボードをアンプのインプットに接続するセッティング
図11

アンプの歪みをエフェクトと同列で使用する

スイッチャーを用いた大規模システム構築においてプロがよく行なうのが、アンプ・ヘッドのエフェクト・ループを使って、ヘッドのプリアンプ部を歪み系エフェクトと同列に並べるセッティングだ。図12のように配線すれば、アンプ直結の歪みサウンドと数種類の歪み系エフェクターのオン/オフを組み合わせて、複数のバッキング/リード用サウンドなどを瞬時に切り替えられるようになる(“OC10W”のフットスイッチ機能を使えばアンプのチャンネル切り替えも可能に)。さらに空間系エフェクトもプリアンプの後段に配することで、高音質な効果を得ることができる。全体のケーブルの量が多くなり、配線が煩雑になりがちだが、アンプ側のインプット、SEND、RETURNに接続する3本を束ねて“OC10W”側を接続したままにしておけば、ライヴ現場でも素早くセッティング可能だ。

図12◆ループの一部にアンプ・ヘッドを組み込む
図12

タイプの異なるアンプを使い分ける

複数台の異なるアンプを同時に使う場合、その分フットスイッチの数も増えてしまうわけだが、たとえ全く異なるタイプのアンプを併用する場合でも、これらを“OC10W”のフットスイッチ機能に一括させれば、足下の機材をコンパクトにまとめることができる。例えば3ボタン・タイプのスイッチャーを必要とするヴィンテージ系アンプはFS3/MULTI JACK端子に接続し、一般的なラッチ/アンラッチ・タイプのフットスイッチを使うモダン系多機能アンプはFS1(T)+FS2(R)端子に、といった具合に図13のようなシステムを組めば、まったくタイプの違った2台のアンプを“OC10W”1台でコントロールし、クリーン系エフェクトとヴィンテージ・アンプの組み合わせ、歪み系エフェクトとモダン・アンプのコンビネーション、各アンプのチャンネル切り替えやリヴァーブのオン/オフなどといった各機材のポテンシャルを活かして、実に多彩なサウンド・ヴァリエーションを瞬時に切り替えられるわけだ。

図13◆“OC10W”1台でアンプ2タイプのフットスイッチ機能を担う
図13

MIDI対応機器のみで構成

図14は“OC10W”に接続されたコンパクト・エフェクター以外、すべてMIDI機能対応機器で組んだセッティング例だ。MIDI対応のアンプは、チャンネル切り替えの他にリヴァーブ類のオン/オフなど、スイッチ機能をコントロールできるケースが多く、それらの操作と“OC10W”に接続したエフェクターのプログラム、外部ラック・エフェクトなどの様々な組み合わせを一瞬で切り替えられるため、1曲をプレイしている最中でも緻密で多彩なサウンド・ヴァリエーションを使い分けられる。ちなみにMIDIに対応しているマルチ・エフェクターも多いので、こういったものを導入するのも手だろう。例えば曲によって内蔵の空間系だけをオンにしたり、ルーパーとして使ったり…といった役割を1台でまかなえる。

図14◆MIDI対応アンプ/エフェクトを“OC10W”と連動させるシステム
図14

多様なMIDI機器をフル回転

図15はMIDI活用セッティングの発展系。この場合、システムの中核になるのはパソコン上のDAWソフトとなる。これで各MIDI対応機器を一括管理するのだ。“OC10W”のプログラム・チェンジはもちろん、ミキサーでの音量/バランス調整、電子ドラム(リズム・マシン)やシンセサイザーのリズム/音色変化、さらに調光卓での照明の変化(現在の調光卓はDMXという規格でLED照明などの色や光量を自在にコントロールできるものが多い)…といった操作をDAW上で設定しておけば、曲の変化に応じて各機器が完全に同期したパフォーマンスを実現できる。バンドでプレイする時はもちろん、弾き語りやバック・トラックを使っての1人ライヴの時も、こういったシステムがあれば他の人の手を借りず、音像も演出も豪華なステージングを披露できるのだ。

図15◆ミキサー、証明などをフル活用したMIDIシステム
図15

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