NAMM2020 YGレポート

“TT”フレット・モデル続々、強烈ペイントのシェクター and more!![NAMM2020 DAY 2:ギター1]

“TT”フレット・モデル続々、強烈ペイントのシェクター and more!![NAMM2020 DAY 2:ギター1]

Aria Pro II アリア・プロII

アリア・プロIIの海外販売向けモデル“Hot Rod Collection”から、フレイム・メイプル・トップの“714-MK2 Fullerton”、ミドル・ピックアップが特徴の“615-MK2 Nashville”、質実剛健なサテン・ブラック・フィニッシュの“718-MK2 Brooklyn”。いずれもローステッド・メイプル・ネックを採用しているが価格帯は極めて手頃なのが魅力的だ。


Danelectro ダンエレクトロ

ダンエレクトロは、1950年代に製造していたピックアップを改訂復刻した“Vintage 50’s Lipstick”の登場と、それを搭載した各種新製品がニュース。“59 Divine”は1959年に発表された“Deluxe”のリイシューで、コントロール部のユニークな形状も特徴的だ(1枚目)。“Jade 57”もレトロ感たっぷりのリイシュー・モデルで、グリーンの“Jade Finish”と“Limo Black”の2色展開(2枚目)。フラッグシップ・モデルの“59M NOS+”はブランド60周年にちなんで新色が4種類。その中の1つ、オレンジ・メタル・フレーク・フィニッシュをチェックした(3枚目)。

ブラック・マーブル柄のピックガードが特徴的な“64XT”には、“Ice Gray”フィニッシュが加わった。

アルダー・ボディーにfホールをあしらった12弦モデル。ホーンの丸みやサンバースト・フィニッシュのレトロ感がたまらない!

Martin マーティン

マーティン“Road Series”のニュー・モデル“SC-13E”は、“Sure-Align”ネック・システムによるジョイント部のスムーズな加工処理のおかげで、アコースティックでありながらすべてのフレットにきわめてアクセスしやすい演奏性をもたらした。シトカ・スプルース・トップで、サイドとバックにはコアの合板を使用。ロゼッタ部分の青と白によるデザインが新鮮だ。他の“Road Series”同様にフィッシュマン“MX-T”を搭載した高品質なエレアコ・サウンドを提供する上、もちろん生音もマーティンならではの極上のサウンドが得られる。


Strandberg ストランドバーグ

極めて正確なピッチを提供する“True Temperament Fretting System”を導入した“Boden TT”シリーズが登場。6弦や7弦、8弦モデルまでラインナップされており、あらゆるジャンルのプレイヤーに受けることはもちろん、ダウン・チューニングをメインに使うギタリストにも強い味方となってくれそうだ。

これまではカスタム・オーダーでのみ入手できた“Boden”のスルー・ネック・モデルがレギュラー・ライン化された。指板のあらゆる箇所に指が届きやすくなり、チェンバード加工により軽量化されたボディーと共により快適な演奏性を提供。HSH配列のピックアップも新要素だ。写真のトレモロ・ユニット付き“Boden NT 6-string Tremolo”の他に、フィックスド・ブリッジ仕様のモデルも発表されていた。

メシュガー、ノクターナル・ライツ、スカー・シンメトリーで活躍するテクニカル・ヴァーチュオーソ:ペル・ニルソンの“Singularity”が2種類。“True Temperament Fretting System”の導入やサンドブラスト・フィニッシュなどが目を惹くこれらは、ピックアップはどちらもランドグレン製で、写真上の青いモデルは主にメシュガー用のため高出力。赤いモデル“Singularity 2020”には、ネック・スケールのねじれ形状やエッジの面取り加工が彼の希望に沿ってカスタマイズされた“Slim Endure Neck”を採用している。HSH配列のピックアップで多彩な音作りも可能になっており、複数のバンドで幅広く活躍するペルを支えているようだ。

Yamaha ヤマハ

ヤマハのナイロン・ギター“NX”シリーズのラインナップが一新された。同社クラシック・ギターのノウハウを生かした本体設計と新たに設計されたブレーシングによる生鳴りの改善、そして上位機種にはナイロン弦専用に音作りされた“Atomosfeel”ピックアップ・システムが搭載されること…などが特徴だ。下の写真は、左からレッド・シダー・トップの“NCX1C”、ソリッド・シトカ・スプルース・トップの“NCX3”、ソリッド・ヨーロピアン・スプルースの“NCX5”。

エレクトリック・ギタリストにも演奏しやすい“NTX”も同時リニューアル。左端が“Atmosfeel”を搭載した上位機種の“NTX3”、中央と右は“NTX1”。

ギターを購入する際、多くの人が決め手とするのは“色”。そんな統計に基づき、人気エレクトリック・シリーズ“Pacifica”の“100”シリーズにカラー・ヴァリエーションが追加された。“PAC112V”には“United Blue”フィニッシュ、“PAC112VM”には“Gray”や“Ice Blue”“Sonic Pink”などのパステル・カラーがラインナップ。


サイレントギターにも新色が登場。深みのあるクリムゾン・レッド・バーストが選べるようになった。ネック・スケールが634mmの“SLG200S”、クラシック・ギター・タイプの“SLG200N”にそれぞれ追加。

L.A.のカスタム・ショップにて製作されたアーティスト・モデルもディスプレイ。ブッチ・ウォーカーの“SA”、ジェフ・シュローダー“Pacifica”、ビリー・シーン“Attitude”ベース、ビリー・コーガン“FG”などなど。

G&L G&L

こちらのG&L“Espada”は、創立40周年を記念したカスタム・ショップ製の限定モデルだ。プレシジョン・ベースを思わせるような、1〜3弦と3〜6弦で配置が異なるピックアップ“Espada MFD Split-Coil Hum-Cancelling”を搭載したユニークなルックス!

Caparison Guitars キャパリソン

ボディー・トップにライト・アッシュ材を使ったキャパリソンの“Dellinger ⅡFX-AM”に新色が追加。昨年発表されたのはダークな色調だったが、今年は明るい水色やナチュラルに近いフィニッシュで、アッシュの木目とのコントラストが一層際立っているのが特徴だ。


Washubrn ワッシュバーン

ヌーノ・ベッテンコートの新しいシグネチュア・モデル“Nele”が誕生! TLシェイプを基にした本機の特徴はピックアップにあり、2シングルに見えるがネックはセイモア・ダンカン“Vintage Stack”、ブリッジにビル・ローレンス“L-250”という、どちらもシングルコイル・サイズのハムバッカーを搭載。ピックアップ・セレクターはトグル・タイプながら可動範囲が通常よりも広い6ウェイで、配列や位相を切り替えることで多彩な音色を使い分けられるのが特徴だ。ボディーはスワンプ・アッシュで、通常版の“Nuno Bettencourt Nele Standard”とトップにフィギュアド・メイプルを貼った“〜Deluxe”の2種類がラインナップ。ヌーノ曰く、制作中のアルバムのレコーディングにも本機が使用されているようだ。


毎年のように様々なシグネチュア製品を発表しているストライパーのマイケル・スウィート。今年はワッシュバーンからシグネチュア・アコースティック“J40SCE”が登場した。希少材であるベアクロウ・スプルースを贅沢に採用したトップ材や、ボディー外周やロゼッタのデザインにこだわりが見られる。

Supro スプロ

スプロの2020年新モデルは、ナッシュヴィル在住の名スタジオ・ギタリスト:フォード・サーストンと共に設計された“Clermont”と“Conquistador”。ギブソン“ES-335″を彷彿させるセミアコで、前者はメイプル、後者はマホガニーがボディー&ネックに使われている。ヴォリュームを下げた際も煌びやかな高域を維持する“50’ワイアリング”方式を採用。鮮やかな緑や青のフィニッシュ、ビグスビー・トレモロといったレトロなルックスも含め、往年のロック/ブルース・スタイルに打ってつけといえるだろう。

Schecter シェクター

今回のシェクターは表にブースを出してはいなかったが、ディーラーとの商談などを行なう場に魅力的なニュー・モデルがぎっしり展示されていた。

ニック・ジョンストンのシグネチュア“Nick Johnston Traditional”にヴァリエーションが大幅追加! ライト・ブルーの“Atomic Frost”(2枚目右上)とホワイトの“Atomic Snow”(3枚目下段)の2色をはじめオレンジやピンクなどもあり、かなり賑やかになっていた。ピックアップ配列も3シングルとSSHの2種類から選ぶことができる。

こちらはUSA製で、通称“Wembley”と呼ばれるラッカー・フィニッシュの“Nick Johnston USA Signature Nitro Finish”。

キース・メロウのシグネチュア・モデルも数を重ね、今年は“Keith Merrow KM-7 Mk-III Hybrid”が発表に。“Snowblind”はメイプル指板、“Telstro Gray”はエボニー指板のモデルとなっており、共に6弦と7弦の両方が製作されている。

シニスター・ゲイツ(アヴェンジド・セヴンフォールド)のカスタム・ショップ製モデル“Synsyter Gates USA Signature FR”。シースルー・レッドのフィニッシュにキルテッド・メイプルの柄がゴージャス!

“Silver Mountain”シリーズは、ブラック・カラーの上にかけたシルヴァーの塗料が乾かないうちにミックスさせるという塗装がボディー全体とネック裏にまで施され(そのため1本ごとにフィニッシュが異なる)、激烈なインパクトを放っている。“C-8 Multiscale Silver Mountain”(各写真右)や6弦の“C-1 Silver Mountain”ほか、7弦も揃っていた。

“Banshee Mach”も新顔。ボディー・トップ全体が緩やかに弧を描いたシェイプや、ボディー内側に向かって暗い色になる逆バースト・フィニッシュ(Fallout Burst)を取り入れたモダンなルックスだ。インレイがローマ数字でフレット番号を示しているのも特徴。6弦はもちろん、“Evertune”ブリッジ搭載の7弦などもラインナップされ、正確なピッチを狙う重低音系プレイヤーにアピールしていた。

Ernie Ball Music Man アーニーボール・ミュージックマン

2020年のジョン・ペトルーシ・シグネチュアはキルテッド・メイプルとシースルーの“Purple Nebula”フィニッシュがゴージャスな“Majesty”。ネックにもフレイム・メイプルが使われ、両側をホンジュラス・マホガニーで挟んだ3ピースという豪華スペックだ。ピックアップは昨年発表されたディマジオ“DP723 Rainmaker”(ネック)と同“Dreamcatcher”(ブリッジ)。6弦と7弦で展開され、世界限定200本生産とのこと。

ボディーにオクメ材を使い、軽量化を図った“Majesty”もラインナップされた。“シールド”部分はフレイム・メイプル。

Freedom Custom Guitar Research
フリーダム カスタム ギター リサーチ

フリーダム カスタム ギター リサーチは“Pepper”シリーズからのニュー・フェイス“Standard Style / ST-Pepper”を展示。オール・マホガニーのネック&ボディーは、独自のホロウ構造を伴って2kg後半という驚異的な軽量化を実現した。メンテ不要でナチュラルなサウンドが得られるステンレス製フレットや、“Hybrid Humbucker”ピックアップ2基、つまみを回して徐々にコイル・タップが行なえるタップ・コントロールなどが標準搭載される。

Mayones メイヨネース

’80年代をルーツに持つ伝統的なデザインを採用し、メイヨネース流の現代的なアプローチで組み上げたニュー・モデル“Aquila”。従来の同社のモデルよりも多彩なサウンドを狙っており、様々なジャンルで活躍しそう。1枚目はマホガニー・ボディー&フレイム・メイプルにメイプル・ネック&バーズアイ・メイプル指板の“Aquila FM6”、2枚目はスワンプ・アッシュ・ボディー&キルテッド・メイプルにウェンジ・ネック&エボニー指板の“Aquila FQM6”。

こちらの“Regius 7”にはベア・ナックルがメイヨネースのためにカスタム・デザインした“TKO”ピックアップを搭載。テクニカルかつプログレッシヴなロック・プレイヤーに向け、セラミック・マグネットのブリッジ・ピックアップとアルニコVマグネットのネック・ピックアップを組み合わせている。

木目を活かすヴァリエーション豊かなフィニッシュの数々はメイヨネースの得意分野。上から2つ目の“Regius Gothic 6”には暗いステージで映える蓄光塗料を用いた“Luminactive Finish”が採用されている。

2014年に登場し、人気シリーズとなった“Duvell”のシェイプが見直された。(写真では見えづらいが)ボディーのアーム・レスト部分が縁に向かって薄く加工され、よりエルゴノミックなフィット感と弾き心地を提供する。さらにはネック上のどこで弾いても正確なピッチを出せる“True Temperament Fretting System”を導入したモデル“Duvell Elite TT6”も!


Xotic エキゾティック

エキゾティックがNAMMショウのために製作したスペシャル・モデルをご紹介。マット・ブラックの“XSC-1”は、アッシュ・ボディーに導管部分の手触りが分かりそうなほど極薄に仕上げられたサンドブラステッド・フィニッシュが採用され、ネックと指板のフレイム・メイプルの木目やゴールド・パーツと相まって、高級感溢れる仕上がりに! コリーナ材を使った“XTC”は、木目の明るい色とエボニー指板やブラックのヘッドやピックガード、バインディングとのコントラストがキリッとした印象だ。

Taylor テイラー

テイラーの上級コレクションである“Builder’s Editon”には4つのモデルが追加され、全部で9モデルとヴァリエーションを拡げた。

リーズナブルな“300”シリーズに加わったのは、アームレストなど“Builder’s Editon”の特長を備えたモデル“324CE”。使用されているボディー材“アーバン・アッシュ”は、南カリフォルニアの都市部に生育し、除去が必要とされていたアッシュ材を地方自治体から引き取っているというエコな試みによるもの。

“816CE”は、カッタウェイ部分に設けられたサウンドポートとボディー中央のサウンドホールの組み合わせにより、ワイドな音像を得られる。

“912CE”はローズ・サイド&バック、ルッツ・スプルース・トップ仕様でフィンガー・スタイルに向いている上、エレクトリックからの持ち替えにもグッド。

“652CE”はスモール・ボディー&ショート・スケールの12弦。リッケンバッカーなどと同様に上から主弦、複弦の順番に張られるので、音程がはっきり聴こえるのが特長だ。1つのブリッジ・ピンで2本の弦を押さえるのも本機独自の構造。

VOX VOX

VOXの新製品“Bobcat S66”は、セミ・アコースティック・ギターとしては珍しいシングルコイル・ピックアップの採用やハウリングを抑制する独自の加工を施している。オールドスクールなルックスながら現代的な音楽シーンでも十分活躍できる汎用性の高さが魅力の1本だ。

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